Q Mr.Children

トイズファクトリー

発売日 2000-09-27
¥ 2,200

当時の浜崎あゆみの勢いに飲まれた感のあるM.Childenの9枚目のアルバム。 そのせいでAtomic Heat以来続けてきたオリコンチャート初登場一位も逃し、かなり一般には浸透しなかったアルバムとなってしまった。 確かに、このアルバムは世間の抱いていた今までの「ミスチル」というイメージや、前作「DISCOVERY」のシンプルな構成のサウンドからもかなり離れた実験的な、特徴的なサウンドで且つ癖のある曲が多い、というのも事実であり、また当時は「ミスチル現象」とまで謳われていた頃に比べるとそれ程の勢いが無かった、という事からもその辺りも考慮すると、やはりチャートで一位になる事は難しかった作品であると言える。 ・・・以上がこのアルバムの客観的な評価であり、ここからは個人的な意見。 「CENTER OF UNIVERSE」、「その向こうへ行こう」、「スロースターター」、「十二月のセントラルパークブルース」、「友とコーヒーと嘘と胃袋」。これらアルバム曲は全て初めてM.Childenを聞く、という人にとって評価はマイナスになるかもしれない。それほどに特徴的な曲調、メロディに聞こえる。 とはいえ今挙げたこれらの曲、何回も聞いていると不思議と「面白い・・。」と思える。癖のある音に慣れてから改めて聞いてみると、このアルバムが嫌いになれない、もっと聞いてみたいと感じるようになった。さらに、初期を彷彿とさせる「ロードムービー」「口笛」など軽快なサウンド、「つよがり」のような温かいバラードなど、とにかく豊富な種類のサウンドが聞けることがとても嬉しい。 総合的な評価として、「M.Childenを初めて聞く」とか「有名なシングル曲は良いがそれ以外はちょっと・・・」という人はこのアルバムを買わないでベストアルバムを買って済ますべき。逆に「M.Childenの事以外は何も考えられない」と言ってのける玄人の方には買い得で嬉しい中身となっている、と言い表したい。 J-POPの歴史には残らなかったが、M.Childenがリリースしたアルバムの中、飽きる事のない出来のいい作品として仕上がっている。

 シングルで発売された曲もかなり強力です。ここではそれ以外の三曲を挙げて 感想を書きます。 1.「CENTER OF UNIVERSE」  最初はなんだこのまったりした曲は?と思って聴いていたのですが、  二番のサビからテンポアップ!!一気にノリが良くなりその後の展開も面白くなります。  韻も踏んでいて、聴いていて楽しい。この曲、もっと注目されてもいいと思うのですが…。  スネアの響きが心地いいのです。 10.「Eveything is made fom a deam」  オルガンのような音、大太鼓のような「ダダン」という音に  ギターが絡む地味な前奏。しかし、1でもかましてくれたのですから、  何かがあるはずと思いつつ聴いていると、文明、科学技術への懸念を歌詞にこめつつ、  非常に心地よく桜井の声が響いてくるのです!! 12.Hallelujah  これがアルバムの最後を締めくくってもいいくらいの盛り上がり方です。  桜井の声がなんとも切なげに聞こえるのです。これを聴いて改めて表現力のある  歌い手だなあと思ったものです。 これ以外の曲もいわゆる「捨て曲」なしです。どれにも聴きどころがあり、 かつ、単調にならないところがいいです。 蛇足になりますが、1番すきなのは、 3.「NOT FOUND」です。ギター弾きながら歌えるようになるまで ずっと練習していました。楽譜見ると分かるんですが、1小節に音符が12並んでいます。 普通は8とか16なんです。確か、この曲は三連符を4つ並べていたと思います。 それが独特のリズムを刻み、それに愛する人一直線の歌詞が絡むんです。 コードも幸運にも手の大きい自分には何とか押さえられるものばかりで、 楽しく歌った記憶があります。 余計な個人的体験も書きましたが、ミスチルのアルバムははまらせるものばかりです。 じっくり聴けば聴くほど虜になっていくことでしょう。

ここでみなさんがよく言われているように、このアルバムはよく悪くも統一性がない。 本人たちも好き勝手やって、気楽に作品作りを楽しんだと語っているようにそうしたムードが反映されているのかもしれない。 打ち込みや今まで使ってこなかったストーンズ調のロックやワルツっぽい曲もあり、初めて聴くとなかなか面を喰らうだろう。 いわゆるミスチルっぽいなと言えるのは口笛ぐらいだ。シングルになったノット・ファウンドもよくよく聞くとリズムがかなり独特なポップチューン。 深海、ボレロ、ディスカバリーと重く、ストイックなバンド・サウンド作りからの脱却をし、良い意味でごった煮のロック・アルバムが生まれたのは実にユニークだ。 歌詞も以前のように内面を吐露するものではなく、ユーモアやファニーさのある詩が多い。 音楽に合わせて歌詞を作った曲も多いと語っているように韻の楽しさもある。 様々な音楽を混ぜ込んで、それに持ち前のポップさ付け足したことで今までにない作品に仕上がっている。 当時は、あまりセールス的に芳しくなかったようだが、筆者自身はこのアルバムの彼らが一番好きだったりする。 この後、彼らは優しい歌で「鏡の中の男に復讐を誓う」と歌ったように、新しい方向へと進んでいくが、その前に出されたこのアルバムでの良い意味での実験性や遊び心にも触れてみて欲しい。 最後に余談だが、筆者はこれ以降、あまり彼らを熱心に追わなくなった。 方向性というよりは音的な嗜好の問題なので、彼らがダメになったというわけではない。単に筆者の求めるものと彼らのそれとが合致しなくなっただけだ。 だが、意外にもこういう人は多いような気もする。バンド・サウンド重視だったファンというのは。

いい意味で飛び抜けて名曲のないアルバムです。だけど完成度が低いとかいう意味ではありません。 前作と次作と比べればわかりますが今作は聴かせる曲は特にありません。 しかし、聴かせる曲が特にない分カタにハマらない遊び心いっぱいのミスチルを堪能できるのが強みです。 リズムパターンも曲によってそれぞれ全く違うし、NOT FOUNDも曲自体は真面目ですがリズムはオール3連という形にはまらない部分がすごく好印象です。 普段の胸キュンなミスチルを求めている方にはびっくりするような作品かも知れませんが、遊び心の詰まったミスチルを堪能するには最高の作品ですね。 ミスチルの中で一番奇抜な作品ですね。

私の好きな野球に例えるなら、とにかく変化球!って感じのアルバム。 カーブ、スライダー、チェンジアップ・・・。 そのどれも、キレが抜群。 「スロースターター」は強い決意の歌。 「suende」は深海を彷彿とさせる。ミスチルの中で1,2を争う暗い曲なのでは? 「ロードムービー」は初期のアルバム・kind of loveのdistanceに似たような、どこか懐かしいメロディー。夜、車に乗りながら聴きたい曲。 そして・・・美しく力強い、揺るぎない愛を表現した傑作、「hallelujah」。アルバム曲でありながら、名曲揃いのベスト版のラストを飾った。この曲をシングルで出さないあたり、さすがミスチル。この隠れた名曲は、壮大なメロディーを響かせながら、バラエティーに富むQの最後を締めくくる「安らげる場所」へとつながっていく・・・。

Q 収録曲 リスト

1 CENTER OF UNIVERSE
2 その向こうへ行こう
3 NOT FOUND
4 スロースターター
5 Surrender
6 つよがり
7 十二月のセントラルパークブルース
8 友とコーヒーと嘘と胃袋
9 ロードムービー
10 Everything is made from a dream
11 口笛
12 Hallelujah
13 安らげる場所

関連CD
DISCOVERY BOLERO 深海 Versus EVERYTHING

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